ヨサファット テトォコ スリ スマンティヨ助教授は「大学ベンチャー発に向ける高精度画像生成用円偏波合成開口レーダの開発」という研究テーマで、平成19年度なのはなベンチャーコンペ【教員版】賞を受賞した。よって、同氏は大学長より賞状と、双葉電子財団より150万円の研究助成を受ける。受賞式は平成19年4月はじめに行う予定である。同氏は平成16年度のコンペにも最優秀賞を受賞した。研究内容として、合成開口レーダ(SAR)センサは全天候型センサで、夜昼によらずに運用できる多目的センサである。現在、国内と国外に運用されているほとんどのSARセンサは水平と垂直・直線偏波およびその組み合わせしか動作しないので、地球表層の限定された情報しか取れない。また、このSARセンサは高価(数億円)、大型、複雑な構造、大電力、高雑音などのような特有な特性をもっている。さらに、わが国の大学レベルにおけるSARシステムの研究開発がほぼやられていないので、SARによる人材不足が深刻な状況である。そのため、SARシステムに関する研究と教育は緊急に処置すべきである。このような背景で、本研究では、地表層における様々な情報を精密かつ高精度に観測とマッピングできる、世界初かつ日本独自の技術による次世代航空機とマイクロ衛星搭載用の円偏波合成開口レーダ(Circularly Polarized Synthetic Aperture Radar、CP-SAR)センサを開発する。このCP-SARは、従来のSARセンサと比較して、プラットフォーム(航空機、マイクロ衛星など)の姿勢に依存しないし、地表層による散乱問題の高精度・低雑音化、安価、小型、薄型、省エネなどのシステムが実現できると期待している。このCP‐SARは、地球観測市場に進出準備のため、国内特許(円偏波システム、2003-014301と2006-023701)と国際特許(円偏波システム、PCT/JP03/05162)を既に出願した。