Josaphat Laboratory graduated Bachelor student, Kyohei Suto with Bachelor Thesis entitled “Development of Chirp Pulse Generator for Circularly Polarized Synthetic Aperture Radar (CP-SAR) onboard Unmanned Aerial Vehicle (UAV) using Digital Circuit FPGA” on 25 March 2013.
須藤京平
FPGA を用いたデジタル回路による無人航空機搭載円偏波合成開口レーダー(CP-SAR)用チャープ信号発生器の開発
本研究の目的は、L バンドと呼ばれる周波数帯(おおよそ1.27GHz 周辺)を使用するマイクロ波合成開口レーダーシステム(SAR)での運用を想定した、観測用のチャープ信号を生成する回路の開発実装である。これは、SAR による地表面観測をより高精度に行い、我々の研究室全体のプロジェクトである地震予測システムへと活かす為のものである。現在我々が行っている研究は、地震の予測システムの開発である。将来起こり得る大地震について、ある2 つの対象について定期的に観測を行うことでその発生の予測を試みる。その対象の1 つは地殻変動、もう1 つは電離層の電子数の変動である。これらを人工衛星、無人航空機に搭載したレーダーによって観測し、その結果を基に地震の発生を予測するというものである。我々は地殻変動の観測について、より精度の高いマイクロ波レーダー、CP-SAR を用いる。マイクロ波レーダーを用いる理由は、地表面の観測においては、可視光線よりもマイクロ波レーダーの方が適しているからである。そして、レーダーの精度を追求する理由は、地殻変動が非常に微細で複雑な為である。地球上の大陸部分は、常にその形状変化が続いている一方で、その変化量は極めて小さい。この変化を観測する為には、非常に高い空間分解能を持つレーダーが必要になる。本研究はこのレーダーの分解能に深く関わってくる要素である。マイクロ波レーダー観測によって高精度の画像を取得する為の方法として、より広い周波数帯域における観測を行うことが挙げられる。マイクロ波は周波数によって、反射散乱する対象物、つまり観測結果に現れる対象が大きく変わってくる為である。このような場合には通常、時間軸上で周波数変調を施したチャープ信号がよく用いられる。つまり、より有用なデータを得る為には、適切なチャープ信号を出力できる装置が必要になる。これが本研究に繋がる背景である。